2017年9月9日土曜日

私、共謀してます

もともと旧知の金原並央さんが出るってんで見に行った『ナイゲン(全国版)』がハンパなしにおもしろく、彼女は出演しない『わが家の最終的解決』も覗きに行き、そこでもガツンとやられるという具合にどんどん引き摺りこまれたコメディ劇団、アガリスクエンターテイメント。彼らが「その企画、共謀につき」と名付けた、ちょっと変わった公演の作り方をするという。劇団の稽古を公開したり、詳細な稽古日誌や執筆中の台本をWEB公開したりして、観客(共謀者)からの反応や意見を募りながら舞台製作を進めようという趣旨。その企画を知った時点では、アガリスクの稽古がどんなのか興味はあるけどねという程度だったが、まぁ新作を、出された料理を食べるように見るだけってのもつまらんなと「共謀券」を買ってみることにした。この「私、共謀してます」チケットで公開稽古が4回と試演会、そして本公演が1回見られるらしい。その結果、試演会まで皆勤賞!(笑)

ただ「公開稽古」とはいっても、最初の「稽古」は演目も決まっていない、普通にいう「企画会議」だった。メモ書きをタイプしたようなレジュメが配られると、3本の作品アイデアの概要が書いてあり「この『パズルとか伏線とか(仮)』ってのさぁ、よく読むとなんにも中身ないよねぇ」なんて話し合っている。驚いた。俺は、1本目は『友達が死んだ(仮)』2本目は『信玄が死んだ(仮)』うーん、なんで、みんな死ぬんだ?コメディなのに湿っぽすぎだろ?なんて思いながら雲をつかむような議論を聞いていた。こちらは部外の素人だし、3本目の『パズルとか伏線とか(仮)』など、なんかすっげーおもしろいやつ!パズル的っていうか伏線とかバンバン回収されてさぁ…というノリだけしかわからなかったかも。そして、そんなモヤモヤッとした会議の中で『信玄が死んだ(仮)』といちばんモヤモヤした『パズルとか伏線とか(仮)』のどちらかで進めることが決まった。

2回目の公開稽古というか企画会議というかはストーリーについて(作品は『パズルとか伏線とか(仮)』に決定)。とある商店街がモールに吸収されるかされないかでドタバタする話、あるいは、その商店街のアーケードを撤去するかしないかの問題で紛糾する話、あたりのアイデアに冨坂友氏(脚本・演出)の喰いつきが良いようだ。3回目は配役が決まって書き始めた前半部の軽い読み合わせ。最後の4回目がいわゆる「立ち稽古」だった(ただ台本の完成にはまだ時間がかかりそう)。公開稽古4回のうち、2回はベタに会議、1回はいわば試作台本の検討会議というべきか、で、やっとたどり着いた稽古らしい稽古が「架空の商店街の組合員による会議コメディ」なので、もうずっと会議をしているような。だから、アガリスクの稽古を見た感想は「きみら、どんだけ会議好っきやねん?!」というものだ(笑)

この作品、正式タイトルは『そして怒濤の伏線回収』に決まり、試演会も見た(本公演は9/15〜24、新宿シアター・ミラクル)。まだ荒削りながらも、当初のモヤモヤッとした会議のモヤモヤッとした「おもしろいコメディを作ろうぜ」という意志は強く生き続けているのではないか。これは凄いことだと思う。アガリスクエンターテイメントの代表作『ナイゲン』のアップデートにとどまらず、コメディ批評的な『七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)』の方法論などをぶちこみ、新しいコメディを開発しようという心意気。モヤモヤッとした雲を潜り抜けたのだから、最後は澄んだ青空が見たい。そこは心地良い狂騒と笑い声とが渦巻いているかもしれないけどね。

2017年9月7日木曜日

学園恋愛バトル×3

王子小劇場で上演中の劇団だるめしあん「学園恋愛バトル×3」の初日を観てきました!3本の短編作品、どれもおもしろいんですが、なかでも『絶対恋愛王政』は、もう小劇場界のカルト的名作として語り継がれる貴重な上演だとも思うので、超おすすめです!(今回が再演なので、見逃すと次いつかわかりませんよ!)物語は、とある学園を支配する生徒会女子軍と、地下活動を余儀なくされるアニメ研究会男子軍の仁義なき闘いが繰り広げられる、というもの。その「文化的」抗争の果てに何があるのか?爆笑しながらいつのまにか胸打たれる展開で、今夜、見て思ったのは、これっていわば、欧米の圧倒的軍事力を後ろ盾にした国家の政府軍と国内の少数派でイスラム教徒を中心とした反政府軍の内戦の物語みたいだなぁと。あれもキリスト教対イスラム教の対立だったりするわけで、その反政府軍のリーダーを柳内佑介さんが演じていて、本当に素晴らしかった。ネタバレになるから言いたくないけど、彼が謝罪するシーンは屈指の名場面です。まぁそこに至る前段階から素晴らしいですし、ほんと見て損しませんから、お時間ある方はぜひ!

2017年8月22日火曜日

掃除機、再び。

makita CL107FDSHW
以前の掃除機は処分してしまいずっと使ってなかったけど、最近はハンディタイプのものでもワリと良くできているらしいというのを聞きつけ、買ってみることにした。このMakita製はDyson製に比べれば激安だし、まぁモノは試しという感じ。ほんとはね、埃の溜まりやすいフローリングだからこそ、箒や雑巾でこまめに掃除すればいいんだが、この部屋へ引っ越してすでに5年、できんことはできんのだ。

2017年8月7日月曜日

嘘で縛るな。

本文と関係ありません ^^;
自分と同世代(1965年生まれ)がどうなのかはわからんけど、俺より下の世代はものすごくたくさんの「嘘」に縛られているような気がする。俺より上の世代は、俺らを含めて下の世代をたくさんの「嘘」で縛ろうとしてきたような気がする(俺はずいぶんそういう匂いに反発を感じてきた)。彼らは他者を都合良く支配しようとしていると思った。こんな語り方は暴言紛いの世代論にすぎないけど、戦後日本の民主主義が未熟だったとすると、いや、どうみても未熟だったのだから、そういう「副作用」があったとしても不思議じゃない。家庭の上下関係、学校の上下関係、会社の上下関係、社会の上下関係を決めるのは主に年齢というか世代差だからだ。保守派の時代錯誤な価値観を聞いているとなおのことそう思う。

2017年8月4日金曜日

初期元春の作品群

まだ持っていなかった佐野元春の1980年代のCDを大人買いした。もともと持っていたレコードは、音楽メディアがCDに切り替わるとき処分してしまった。聴きたくなったらまた買い直せばいいやと思ったからだが、そのまま二十数年過ぎた。そして、チラッと『Cafe Bohemia』を聴き直し、あまりに濃密な、初期元春の集大成となっていたことに驚いた。有名どころの曲では「YOUNG BLOODS」や「CHRISTMAS TIME IN BLUE」などを収録した1986年の作品である。俺は「STRANGE DAYS」や「月と専制君主」がもう死ぬほどめちゃくちゃ好きで…とか、まぁそういうことはいいとして、ただ、このアルバム以降はそんなにのめりこんで聴いたという覚えがない。むろん、新作は全部買ったし、好きな曲もたくさんあるが、『Cafe Bohemia』までの作品は、俺に音楽の未知の風景を見せてくれたのだ。初期の元春は、彼が刺激を受けた欧米のロックンロールをダイレクトに再構築したような作品群で、たとえば「YOUNG BLOODS」なんかほとんどスタイル・カウンシルだと思うが、当時は、俺だって海外アーティストを貪るように聴き漁った時期だし、まったく気にならなかった。いま思えば、元春とともに、自他の未分化なまま同時代の音楽が共鳴する空間を生きていたような気もする。アーティストとしての佐野元春はその後、さまざまな試行錯誤を繰り返し、俺がふたたび鮮烈な音楽体験に打ち震えるまで、2007年の『COYOTE』や2013年の『ZOOEY』を待たねばならなかった。その間、二十年。創造するってのはほんと大変だと思う。

2017年7月30日日曜日

Mellow Waves

WARNER MUSIC / 2,800円+税
昔話になっちゃうけど、フリッパーズ・ギターなんてね、音楽性云々以前に、もう激しく嫉妬の対象だったので、ひたすら敬遠しまくってきたわけだが、最近、コーネリアスが新作アルバムからシングルカットした「あなたがいるなら」を聴いてぶっとんだ(ほんと歳をとるのも良いもんだねぇ)。ひさしぶりに、ラブソングに震えた。これ一曲のためにアルバムを買う価値があるんじゃないかと思った。ラブソングって純化させると、個人差とか性差とかも超えて、ただただ純粋な人間の心の動きというか、精神の得体の知れぬ昂まりみたいなものに還元されるんじゃないかと思っていたのだが、そういう音楽的イマジネーションの地平を作品にしてくれた。このアルバム『Mellow Waves』も「あなたがいるなら」の世界の分岐と変奏によって構成されたような一枚で、聴けば聴くほど素晴らしい。

2017年7月21日金曜日

ハンディレコーダー

ZOOM H5(Recorder)+XHY6(Mic)
音響機材導入のメインディッシュがこのレコーダー。脳みそがウニになるくらい悩んだけど、結局は使ってみなきゃわからない。てゆーか、買ったら、もう目の前のブツでなんとかしなきゃしょうがないしね。ハンディタイプのものでも最上位機種はこれよりもうひと回り大きくて、処理できるトラック数も多く、機能が多彩だったりする。でも、基本的な音質が大きく劣らなければ、コンパクトなほうが使う機会も増えるだろうというのが選んだポイント。あと、カムコーダーに収録した音と混ぜたりするだろうから、レコーダーの音ばかり高級でもしょうがないかな?というのも一考。とはいえ、交換式マイクやらなにやらも買ったら、5万円近くになった。良い音を録って、元も取りたい… ^^;