2014年4月13日日曜日

もののけ姫


Blu-ray Discになったのをきっかけに「もののけ姫」を見直した(さすがに素晴らしい画質!)。前回見たのは1997年の公開時なのでもう15年以上ぶりになるが、作品の印象は当時と少しも変わらなかった。

あらためて凄いなと思ったのは、これが今年公開されたとしてもまったく古びていないし、おそらくは、さらに15年経っても色褪せないだろうと感じられたことだ。たとえば、1984年の「風の谷のナウシカ」をいま見ると「救済の物語」としてややロマンチックに見えてしまうのは確かだし、「もののけ姫」の次の2001年に公開された「千と千尋の神隠し」以降になると、こんどは物語のリアリティというより映像表現のイマジネーティヴな豊かさを追求した作品が多くなっている。だから「もののけ姫」は「風の谷のナウシカ」の物語を「変奏」しただけではなく、ここで「完成」させたのだと思う。

初めて「もののけ姫」を見たときもっとも疑問に感じたのは「呪いの解けたアシタカはなぜ故郷に帰らなかったのか?」ということだった。でも、遅まきながら納得したのは、アシタカは大好きなサンの近くで暮らしたかった、こともあるだろうが、それ以上に、自滅した愚かな人間社会を建て直す必要があった、ということ。ナウシカのような救世主もいない、人間の業と悲劇にのみこまれた場所だからといって、そこから逃げるわけにはいかない ——「もののけ姫」の物語が語りかけるのはそんな厳しいメッセージである。