2014年8月8日金曜日

眼で意味を汲みとる

吉田秋生の海街diary6『四月になれば彼女は』を読んだ。あいかわらず一話一話の密度が濃く、素晴らしかった。その中の一つに「地図にない場所」というエピソードがあり、とあるイギリスの詩人の作品が引用されている。
「立ち上がってたたみなさい
 君の悲嘆の地図を」
という一節だが、この言葉を語るまでの物語の流れといいタイミングといいもう完璧で、「地図にない場所」という作品は、この一節を読ませるために組み立てられたと言っても良いくらいである。
俺なども「やられたぁ」と思いながらページをめくっているわけだが、でも後で、ふと思った。もし、これを実写のドラマ(アニメでもいい)にして劇中の台詞として語らせたとして、それを見たというか聴いた俺は同じようにノックアウトを喰らっただろうか?
そうはならなかったのではないか?という思いのほうが強い。漫画を黙読する俺の脳内と同じ状態にはならないだろう。きっと某かの違和感が残るに違いない、と。
それだけこの漫画作品の完成度が高いということは言えるんだろうけど、もう一つ、眼で意味を直接汲みとる漫画だからこそ、その台詞を黙読することのおもしろさもあるのかもしれない、とも思った。
少し例外的な話かもしれないが…