2015年2月22日日曜日

増村保造の世界

ワイズ出版映画文庫、各巻1,500円
1999年に出版された単行本を買い逃していたので、めちゃめちゃありがたい再編集版。でも、やっぱり造本は単行本のほうがいいなー。

それはともかく、この本をパラパラめくっていると、若き増村保造や大島渚たちが、小津安二郎や成瀬巳喜男の「小市民映画」や、増村が「現代が描けない」と評した溝口健二たち、戦後日本映画の先行世代に反発して創作活動を続けたことを思い出す。でも、現在から見ると、どちらの映画遺産もいまだ陳腐にはなっていないし、こうやって芸術というのは発展するんだよな、とあらためて考えさせられる。

だから、2010年代のわれわれも、もっともっと現状の(あるいはちょい過去の)なにがしかに反発してガツガツ作ることに躊躇する必要はない。むしろ、みずからがどれだけ妥協なく深められるか究められるかが問題なんだと思う。