2015年2月24日火曜日

原発から原爆へ

「熱風」2月号(スタジオジブリ刊)
さして期待しなかった「熱風」の最新号、思いのほか刺激的だった。というのも、特集テーマである「再生可能エネルギー」すなわち、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーが石油や原子力の代替エネルギーとして期待され、安全性はもちろん経済性からも世界のエネルギー政策の最先端にある一方、日本は未曾有の原発事故を起こしたにもかかわらずその潮流に逆行しているというアウトラインなら、まぁ俺でも知ってるので、そこを再確認するだけなら読んでてツラいだろうなぁと思ったのだ。

しかし「熱風」の語り部となったのは古賀茂明氏だった。最近は、テレビの報道番組でISによる人質事件への政府の対応を批判し「I am not Abe!」とぶち上げてコメンテイターをクビになったあの人である。彼の元・経産省官僚という肩書きもダテではなく、視野の広い政治経済の文脈のなかで日本の再生可能エネルギーの現状を明快に分析している(それに「熱風」は彼のインタビューに約40ページを割いているのだが、これが実に適量でありがたい!)

なかでも目から鱗だったのが、今まで釈然としなかった「それでも原発を動かそう」とする理由について。先日のエントリーで紹介した書物『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』でも直接的な議論は留保されていたので、「原子力ムラ」と呼ばれる金の亡者が跋扈する謎のネットワークが存在するらしいという魑魅魍魎のイメージは消えなかったし、その全貌が曖昧であればあるほど、未来のない原発事業を血眼になって死守する別の理由もあるのではないか?という疑問がおのずと浮かんできた。

そこに古賀茂明氏が辛辣な意見をガンガンぶつけてくる。古賀氏によると、今、原発を持ちたいという国々——トルコ、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなど——は「核技術」を持ちたいと考えている。すなわち「原爆を造りますから教えてください」と言いうわけにはいかないので、まずは原発を造ろうというのが狙いである。そうした状況に加え、安倍晋三の国防の抑止力理論から考えると、安倍が原発にこだわる理由は明らかだ。なにしろ、原発のゴミとして産出されるプルトニウムは原爆の材料になる。だから、20年以上研究していまだ実用の目処が立たない核燃料サイクルの開発を止めないのも、そのプルトニウムは「核兵器」ではなく「燃料」にするため保有しているという口実になるからだ、という…

たしかに、すでに核兵器を持つ中国や北朝鮮に対抗しようという安倍晋三が意識しないはずはないというところか。それに原爆を造る技術そのものはそう複雑なものではないらしい。『太陽を盗んだ男』によれば、プルトニウムさえあれば、中学の理科の教師だって原爆を造ることができるのだ!