2015年8月29日土曜日

「市民ケーン」超高画質版

「超高画質名作映画シリーズ」と銘打った『市民ケーン』のDVDがあると知り、取り寄せてみたら、今まで見てきたものとはまるで別物で愕然とした。むろん、旧来のDVDも、きっとオリジナルはもっとキレイなんだろなぁと思いながら見ていたものの、いざ高画質を目の当たりにして、ちょっとしたカルチャーショックである。『市民ケーン』は世界映画史上No.1に推されるほどの作品なので、見たことのある人も多いだろうが、劣悪な画質で見た『市民ケーン』など、そのおもしろさの半分もわからないのが当然だと思う。ただ、上記の超高画質版の画面だけでは、まだどう優れているかまで伝わらないだろう。そこで、俺の手元にあった旧来のDVDの同場面をキャプチャーしてみる。
オーソン・ウェルズ演じる主役のケーンはもちろん、ケーンが話している手前の人物や両者の背景などの解像にも大差があるし、黒の色調もまるで違う。超高画質版は音声もとてもクリアで、ほんとうに現代の映画作品として鑑賞に堪える水準のものだ。俺はまるで初めて『市民ケーン』を見たかのような感覚に囚われた。ドラマシーンはおおよそこんな画質差があるものの、もっとも顕著なのは冒頭と最後に置かれたこのカットである。まず、旧来版。
なにか看板らしきものが掛かっているということは判別できるだろう。それが超高画質版だとこんなふうになる。
『市民ケーン』は主演・監督したオーソン・ウェルズの才気あふれるデビュー作だが、映画製作経験のない若者が歴史に残る傑作を撮り得たのだから、当然、ウェルズ以外の才能に負うところも大きい。なかでも撮影監督グレッグ・トーランドの生みだした映像の魅力は、やはりある程度、画質が良くないとわからない。今後『市民ケーン』を鑑賞するなら、ぜひ、この超高画質版(amazonで千円で買える!)で視聴することをお勧めする。