2015年12月13日日曜日

アメリカン・スナイパー


イラク戦争で活躍した実在の凄腕スナイパー、クリス・カイル。米軍海兵隊に所属する彼が故郷に残した家族との関係に焦点をあて、退役後のPTSDなどにも執拗に言及。「反戦映画」とまでいえなくとも、完全に「厭戦映画」というべき作品だった。むろん、昔からのイーストウッド映画ファンにしてみると、B級アクション由来の独特な味わいはほとんど消えているから物足りないという人も多いかもしれない。だが、ハリウッド映画という枠組みの中で、アメリカの対テロ戦争に一石を投じるような作品を自由に作れるのは、いまやイーストウッドのような巨匠など数をかぞえるくらいしかいないはずだし、その意味で、彼がやるべきだと考えたことを、やれるかぎりのやり方で実現しているのは素晴らしいと思った。老将かくあるべし。