2016年2月11日木曜日

東京1945秋

文・構成:佐藤洋一、2,400円+税、洋泉社
これは素晴らしい!

太平洋戦争の敗戦直後、米軍が記録した東京の写真を多数収録。そのため、偵察機による航空写真が多いのも特徴だろう。写真印刷のクオリティ、紙質、造本やブックデザインもほぼ文句なし(あえて言えば、保存の観点からハードカバーのほうが良かったかも?というくらい)

この本の写真群からうかがえる「米軍の視線」というのはきわめてクールで、叙情的な要素は皆無とまでいわなくとも最小限に抑えられ、その大部分は占領軍の冷徹なまなざしすら感じさせる。

しかし、たとえば、最近の写真家が撮った感傷的な廃墟写真なんかよりもはるかに有益な廃墟写真ではないだろうか?歴史的資料としての価値を別に考えたとしても。なぜなら、これらの東京の廃墟とともに立ち上がってくるのは、戦争の非人間的な視線そのものだからだ。