2017年1月8日日曜日

恩寵としての偶然性

絵画や漫画やアニメなど「描画」をベースにした創作と、写真や映画などの「撮影」をベースにした創作とでは、技術的な制御と偶然性の占める位置や関係性が違う。ただ、いずれにせよ、技術的な制御の最終目的はその偶然性を研ぎ澄ますことだと思う。偶然性に委ねるとは、言い換えれば、神におのれを委ねるということである。神の前で、人間は無力であり裸体であり、それゆえ自由である。だから人は、神への信仰と引き換えに自由と安寧とを同時に手に入れることも可能である。だからこそ人は、神の存在に向けて神経を尖らせてみる価値がある。研ぎ澄まされた偶然性はただの偶然ではなく、ある種の神の恩寵なのである。それが芸術における諸技術の本質的使用法ではないだろうか?