2017年3月28日火曜日

娯楽と芸術

まず、エンタータインメント(娯楽)には大きく二種類あって、知性に訴えるものと感情に訴えるものがある。知性に訴えるものの中には、答えや結論が用意されているものとされていないものがある(たとえばミステリーvsドキュメンタリー)。感情に訴えるものの中には、喜びをもたらすものと哀しみをもたらすものと怒りをもたらすものがある。たとえば、勧善懲悪の物語は悪への「怒り」をエンターテインメントにしている。一般的に「喜怒哀楽」というからには「楽」もあるかというと、楽しいというのは固有の感情というより気分であり、喜びのトーンが支配的な雰囲気を指すことも多い。また、娯楽と芸術(アート)と呼ばれる分類について考えるなら、娯楽は一種のゲーム性が高く、鑑賞者が作品の虚構の中に参加するというかたちで「疑似的体験」を享受する。一方、芸術は鑑賞者が作品に対して内在的に関わるのではなく、作品に対峙してその美を味わう、つまり、外在的な「超越的体験」を享受する。そのため芸術鑑賞とは知的体験と感情的体験を融合したものとしての美的体験であるといえるだろう。